「戦争が正当であるためには、三つの要素が必要である。第一に、主権者の権限。第二に、正当な理由。第三に、正しい意図である」

- 1225年頃~1274年3月7日
- シチリア王国(イタリア)出身
- 神学者、哲学者
- スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した
英文
“In order for a war to be just, three things are necessary. First, the authority of the sovereign. Secondly, a just cause. Thirdly, a rightful intention.”
日本語訳
「戦争が正当であるためには、三つの要素が必要である。第一に、主権者の権限。第二に、正当な理由。第三に、正しい意図である」
解説
この言葉は、アクィナスが正義の戦争の条件について述べたものだ。彼は、戦争が道徳的に正当化されるためには、三つの条件が満たされなければならないと考えた。まず、戦争を宣言する権限があるのは主権者である。次に、その戦争には正当な理由が必要であり、ただの侵略や利益のための戦争ではないことが求められる。最後に、戦争に臨む正しい意図が必要であり、他者を支配することや単なる報復の意図ではなく、平和や正義の回復を目的とするものでなければならないとする。
現代においても、この「正戦論」は国際法や倫理的な戦争観に影響を与えている。アクィナスの基準は、戦争を避けられない場合であっても、正当な理由と適切な手段によって行われるべきであるという倫理的枠組みを提供する。彼のこの考えは、正義と倫理に基づいた判断が必要であり、戦争は極限の手段として慎重に用いるべきであることを示している。
日常生活においても、この教えは決断における正当性と意図を重視する指針となる。例えば、対立や困難な状況に直面したとき、安易に行動せず、正当な理由と正しい意図を持つことで、自分や他者への影響をよく考えた上で行動できる。この考え方は、日常の選択や行動が、道徳的かつ倫理的な根拠に基づくよう促してくれる。
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