「尊敬に値する存在は三つしかない。聖職者、兵士、そして詩人である。知ること、殺すこと、創造すること」

シャルル・ボードレール(画像はイメージです)
シャルル・ボードレール(画像はイメージです)
  • 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
  • フランス出身
  • 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」

英文

“There exist only three beings worthy of respect: the priest, the soldier, the poet. To know, to kill, to create.”

日本語訳

「尊敬に値する存在は三つしかない。聖職者、兵士、そして詩人である。知ること、殺すこと、創造すること」

解説

この言葉は、ボードレールが人間の営みを三つの根源的役割に分類した挑発的な断言である。聖職者は知を象徴し、兵士は破壊の力を体現し、詩人は創造の力を担う。それぞれは人間社会における異なる究極的な機能を示し、同時に畏敬の対象とされる存在である。

この思想は、19世紀のフランスにおける宗教・軍事・芸術の三位一体的な重要性を反映している。啓蒙主義や革命を経た時代においても、知識、武力、芸術は社会を動かす大きな柱であり続けた。ボードレールは、善悪の彼岸にある人間の根源的な力をこの三者に見たのである。

現代的に読めば、この言葉は人間活動の三極性を示唆する。科学者や思想家が「知」を追求し、軍事や政治権力が「破壊」を行い、芸術家が「創造」を担う。これら三つの力は対立しつつも互いに補完し、人類史を形作ってきた。ボードレールは、その張り詰めたバランスの中に、人間存在の本質を見出していたのである。

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