「大衆は、それが群衆であれ軍隊であれ、卑劣である」

ベニート・ムッソリーニの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ベニート・ムッソリーニの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1883年7月29日~1945年4月28日
  • イタリア王国出身
  • 独裁者、政治家、軍人、新聞記者、教師

英文

“The mass, whether it be a crowd or an army, is vile.”

日本語訳

「大衆は、それが群衆であれ軍隊であれ、卑劣である」

解説

この発言は、ムッソリーニのエリート主義的思想大衆への根本的不信を示すものである。彼は、個人としての意志や理性を失った「大衆」は、感情に流されやすく、操作されやすい存在であり、道徳的にも劣っていると見なしていた。ここでは、群衆も軍隊も同様に、集団になることで腐敗するという認識が表れている。

興味深いのは、ムッソリーニ自身がファシズムという大衆動員型の政治運動を主導しながら、その根底では大衆を軽蔑していた点である。彼の政治手法は、プロパガンダや演説を通じて感情を操作するものであったが、同時にそれは大衆を操る対象、すなわち統治されるべき存在とみなしていたことを意味する。

現代社会においても、このような「大衆は愚かである」とする思想はエリート主義やテクノクラシーの議論に通じる部分がある。だが一方で、民主主義は大衆の判断と参加を前提としており、このような言葉は民主的価値と鋭く対立する。この名言は、権力者がいかに「大衆」を見ているかを理解するうえで、警鐘として機能する表現である。

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