「道徳的徳の完成は、情熱を完全に取り除くのではなく、それを制御するものである」
- 1225年頃~1274年3月7日
- シチリア王国(イタリア)出身
- 神学者、哲学者
- スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した
英文
“Perfection of moral virtue does not wholly take away the passions, but regulates them.”
日本語訳
「道徳的徳の完成は、情熱を完全に取り除くのではなく、それを制御するものである」
解説
この言葉は、アクィナスが道徳的な徳と情熱の関係について述べたものである。彼は、道徳的な完成とは、情熱や感情を抑え込んで消し去ることではなく、それを理性によって適切に制御し、バランスを取ることであると考えた。情熱や感情は人間の自然な一部であり、それを否定するのではなく、道徳的な行動を取るために健全に調整することが重要だという考え方を示している。
現代でも、この視点は情動と自己制御に関する心理学的な理解と一致する。感情や情熱を完全に排除することは不可能であり、むしろ感情を認識し、それに対する健全な対応を学ぶことが、成熟した自己管理の要素とされている。アクィナスの言葉は、感情の抑圧ではなく調整が、人間関係や自己成長においても有益であることを示唆している。
日常生活においても、この教えは自己理解と感情のバランスを保つための指針となる。たとえば、怒りや不安などの感情が湧いたとき、それを無理に抑え込むのではなく、適切に表現しコントロールすることで、より健康的で調和の取れた行動が可能となる。情熱を健全に制御することで、道徳的で円滑な人間関係を築く助けとなる。
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