「この世紀にはただ一人の偉大な人間と一つの偉大なものがあった。それはナポレオンと自由である。偉大な人間を失った今、偉大なものを手に入れようではないか」
- 1802年2月26日~1885年5月22日
- フランス出身
- 作家、詩人、劇作家
- 『レ・ミゼラブル』『ノートル=ダム・ド・パリ』などの小説や詩を執筆し、フランス・ロマン主義文学を代表する存在であり、世界的な影響を与えた
英文
“There have been in this century only one great man and one great thing: Napoleon and liberty. For want of the great man, let us have the great thing.”
日本語訳
「この世紀にはただ一人の偉大な人間と一つの偉大なものがあった。それはナポレオンと自由である。偉大な人間を失った今、偉大なものを手に入れようではないか」
解説
この名言は、ヴィクトル・ユゴーが19世紀の偉人と理想を重ねて語る中で、偉人とその後に続く理念の重要性を強調したものである。 ユゴーはナポレオンを偉大な人物として称えながらも、その存在が失われた今、自由という普遍的で崇高な価値を求めるべきだと主張している。彼にとって、ナポレオンは英雄的なリーダーであり、時代を象徴するカリスマ的存在であったが、最終的にはその代替として残された「自由」という理念に希望を託すべきだと説いている。
ナポレオンは強力な指導者であり、フランス革命後の混乱の中で秩序を取り戻す役割を果たしたが、ユゴーは彼が象徴するもの以上に、自由そのものを人類が目指すべき目標として尊重している。時代背景として、19世紀は自由主義が拡大し、ヨーロッパ各地で独立や権利の獲得が叫ばれた時代である。この流れの中で、ユゴーは指導者としてのナポレオンよりも、自由そのものがもたらす未来を選ぶべきだと訴えているのである。
この言葉は現代にも応用可能であり、リーダーシップやカリスマ的な人物が存在するか否かに関わらず、理想や価値観を追求し続けるべきであるというメッセージを伝えている。例えば、社会運動や民主主義の発展において、個人のリーダーシップだけに依存するのではなく、自由や人権といった普遍的な価値を追求することで、より強固で持続的な社会が形成されることを示唆している。ユゴーは、偉人を失った後でも、偉大な価値観が人々の指針となり得ることを信じ、その価値を追い求める重要性を強調しているのだ。
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