「我々の実験の結果、人間は主（マスター）なしに自らを統治できると信頼してよい、という結論に至ることを、私は少しも恐れていない」

• 1743年4月13日～1826年7月4日（83歳没）
• アメリカ合衆国出身
• 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

“I have no fear that the result of our experiment will be that men may be trusted to govern themselves without a master.”

日本語訳

「我々の実験の結果、人間は主（マスター）なしに自らを統治できると信頼してよい、という結論に至ることを、私は少しも恐れていない」

解説

この言葉は、民主主義に対するジェファーソンの揺るぎない信念を表明している。彼が「実験」と呼んでいるのは、アメリカ合衆国における人民主権による自己統治の試みである。王政や専制を否定し、市民自身が自らの意思と理性によって国家を運営できるという理念は、当時としては大胆で革新的なものであった。

ジェファーソンは、教育と自由な言論が保障されていれば、人間は理性的かつ自律的に行動できる存在であると確信していた。そのため、人民が統治に参加することを恐れるどころか、むしろそれこそが正義と安定をもたらすと考えていたのである。彼のこの信念は、アメリカ建国の精神に深く根ざし、今日にまで続く民主主義の原理の礎となっている。

現代においても、権威主義や情報操作が広がる中で、市民が自ら考え、行動し、統治に関わることの意義は改めて問われている。この名言は、自由とは責任を伴うものであり、主権者であることを恐れるのではなく誇りとせよという励ましである。自己統治の可能性を信じることが、自由社会の根幹なのである。

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