「歴史は一般に、悪政とは何かを私たちに教えるだけである」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

”History, in general, only informs us of what bad government is.”

日本語訳

「歴史は一般に、悪政とは何かを私たちに教えるだけである」

解説

この言葉は、人類の歴史の多くが専制や腐敗、不正な統治の記録であり、優れた政治よりもむしろ失敗の連続であるというジェファーソンの冷徹な歴史観を表している。彼は、歴史は道徳的教訓ではなく、権力の濫用や人間の愚かさを証明するものであることが多いと見なしていた。

このような見解は、啓蒙時代の思想――すなわち、理性と経験を通じて未来をより良くしようとする進歩主義的姿勢に基づいている。ジェファーソンにとって、歴史とは単なる過去の記録ではなく、過ちを繰り返さないための警告の書であった。だからこそ彼は、憲法や制度によって権力を制限し、民衆が常に政府を監視できる仕組みが必要だと考えた

現代においても、戦争、独裁、弾圧といった歴史的事実を学ぶことで、いかにして悪政が生まれ、どのような犠牲が払われたかを知ることは民主社会にとって不可欠である。この名言は、歴史から学ぶべき最も大きな教訓は「何をしてはいけないか」であり、理想ではなく失敗の連続こそが最大の教師であるという厳粛な真理を、静かに私たちに突きつけている。

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