「いつの日か、科学の頭脳から、あまりにも恐ろしい可能性を持ち、まったくもって戦慄すべき力や機械が生まれるだろう。それは、人に苦痛と死を与えるためなら自らもそれを受けることをいとわぬ戦士さえも戦慄させ、そしてついには戦争を永遠に放棄させるに至るだろう」

- 1847年2月11日~1931年10月18日
- アメリカ出身
- 発明家、実業家
英文
“There will one day spring from the brain of science a machine or force so fearful in its potentialities, so absolutely terrifying, that even man, the fighter, who will dare torture and death in order to inflict torture and death, will be appalled, and so abandon war forever.”
日本語訳
「いつの日か、科学の頭脳から、あまりにも恐ろしい可能性を持ち、まったくもって戦慄すべき力や機械が生まれるだろう。それは、人に苦痛と死を与えるためなら自らもそれを受けることをいとわぬ戦士さえも戦慄させ、そしてついには戦争を永遠に放棄させるに至るだろう」
解説
この言葉は、科学の力が極限まで進化したとき、それがあまりに破壊的で恐ろしいがゆえに、人類自らが戦争という選択肢を放棄せざるを得なくなる未来像を描いた、エジソンの予言的ともいえる名言である。彼は発明家でありながら、科学がもたらす恐怖の側面にも深く自覚的であり、人間の攻撃性をもってしても踏みとどまらせるほどの力が科学によって生まれる可能性を見据えていた。
この発言は、20世紀の核兵器の登場を思わせる内容であり、科学技術の進歩が倫理的責任と結びつかなければ破滅を招く可能性があるという危機感がにじんでいる。エジソンは生涯、殺傷を目的とした兵器の発明には関与しない姿勢を貫いたが、技術が持つ二面性――創造と破壊――を深く理解していた。この名言は、そうした技術への畏敬と戒めの念を強く伝えている。
現代においても、AIや生物兵器、サイバー戦争といった新たな脅威が現れる中、この言葉は科学の行き着く先を問う倫理的な問いかけとして重い意味を持つ。エジソンはここで、究極的な暴力の果てに、ようやく人類が戦争の愚かさを悟るのではないかという、悲観と希望の入り混じった未来像を提示している。科学の力を人間性と共に用いるべきだという警告が、静かだが明確に響いてくる。
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