「愛は憎しみに先立つものであり、愛するに値するものに反するものだけが憎まれる。ゆえに、すべての憎しみは愛から生じる」
- 1225年頃~1274年3月7日
- シチリア王国(イタリア)出身
- 神学者、哲学者
- スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した
英文
“Love must precede hatred, and nothing is hated save through being contrary to a suitable thing which is loved. And hence it is that every hatred is caused by love.”
日本語訳
「愛は憎しみに先立つものであり、愛するに値するものに反するものだけが憎まれる。ゆえに、すべての憎しみは愛から生じる」
解説
この言葉は、アクィナスが愛と憎しみの関係について述べたものである。彼は、憎しみが単独で生じるものではなく、まず愛が存在し、それが裏切られるか、傷つけられることによって憎しみが発生するのだと考えた。この視点は、憎しみの根底にあるのは愛であり、何かを愛することが、反対の感情を生む原因になり得るという心理的な洞察を示している。
現代の心理学や人間関係においても、この考え方は非常に有用である。愛情が深いほど、裏切りや失望によって生じる憎しみもまた強くなることがよく見られる。例えば、信頼していた人に裏切られたときや、大切にしていた価値観が否定されたとき、強い憎しみが生まれることがある。このような憎しみの感情は、愛から派生するものと理解することで、その感情に対処しやすくなる。
この概念は、日常の人間関係や自己理解においても役立つ。たとえば、なぜある状況に強い嫌悪感を抱くのかを考えるとき、その背後には何かを大切に思う気持ちや価値観があることが多い。このように、憎しみの感情の背景にある愛を理解することで、対人関係における対立の解決や、自己理解が深まる可能性がある。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
関連するタグのコンテンツ
愛
申し込む
0 Comments
最も古い