「あなたの背後にあるものも、前方にあるものも、あなたの内にあるものに比べれば色あせて見える」

- 1803年5月25日~1882年4月27日
- アメリカ合衆国出身
- 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者
英文
“What lies behind you and what lies in front of you, pales in comparison to what lies inside of you.”
日本語訳
「あなたの背後にあるものも、前方にあるものも、あなたの内にあるものに比べれば色あせて見える」
解説
この名言は、人間の内面に宿る力や価値が、過去や未来のいかなる出来事よりも重要であるという信念を語っている。エマーソンは、過去の経験や未来の不安に囚われるのではなく、自分の内なる直観・信念・精神的資源こそを信じよと説いた。これは彼の根本思想である自己信頼(self-reliance)の真髄であり、他者でも運命でもなく、自己の内面が人生を決定する中心であるという視点である。
この言葉が語られた背景には、19世紀アメリカの個人主義の台頭と、精神的自由の希求がある。エマーソンは、当時の権威主義的な宗教観や社会制度に抗して、一人ひとりの中に宇宙的真理に通じる力があると主張した。過去の栄光や失敗、未来の期待や恐れに振り回されることなく、「今ここにいる自分」の内面にこそ人生の核心があるという哲学は、その後のアメリカ思想に大きな影響を与えた。
現代においても、この名言は大いに通用する。人々はしばしば過去の後悔や未来の計画に忙殺され、自分が今何を感じ、何を信じているかに向き合う余裕を失っている。この言葉は、人生において最も偉大な可能性や方向性は、自らの内面にこそあるという強い励ましであり、自分の存在を深く信じることが人生の出発点であるという普遍の真理を伝えている。
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