「運命とは、以前の存在状態でなされた行いにすぎない」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“Fate is nothing but the deeds committed in a prior state of existence.”

日本語訳

「運命とは、以前の存在状態でなされた行いにすぎない」

解説

この名言は、運命を超自然的な力ではなく、過去の行為に基づく必然的結果として捉える思想を表している。エマーソンは、「運命(fate)」という言葉に宿命的・偶然的な響きを持たせるのではなく、因果の原則によって説明可能なものと見なしている。ここでの「prior state of existence(以前の存在状態)」とは、単に前世を指す東洋的な輪廻思想というよりも、現在の自己を形成してきた過去の思想、選択、行動の積み重ねを広く指していると解釈できる。

この見解は、エマーソンの自己責任と精神の自由を重視する超越主義的立場に密接に関係している。彼は、運命とは外的な力によって定められるものではなく、個人の過去の選択が導いた結果にすぎないと考えた。そのため、運命を恐れるのではなく、自己の行いを見直し、未来を再構成することができるという希望と責任感が含まれている。

現代においてこの名言は、自己の人生に対する主体的な姿勢を促すメッセージとして強く響く。環境や運命を嘆く前に、過去の思考と行動がどのように今をつくっているかに目を向けるべきだという自己認識を促すものである。エマーソンのこの言葉は、「運命」は人に降ってくるものではなく、自らが過去に蒔いた種の結果であるという、厳しくも力強い真理を語っている。

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