「自然のあらゆる個別のもの――一枚の葉、一滴の水、一つの結晶、一瞬の時――は全体と関係し、その全体の完全さを分かち持つ」

- 1803年5月25日~1882年4月27日
- アメリカ合衆国出身
- 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者
英文
“Every particular in nature, a leaf, a drop, a crystal, a moment of time is related to the whole, and partakes of the perfection of the whole.”
日本語訳
「自然のあらゆる個別のもの――一枚の葉、一滴の水、一つの結晶、一瞬の時――は全体と関係し、その全体の完全さを分かち持つ」
解説
この名言は、自然界のあらゆる存在は、宇宙全体とつながっており、その調和と完全性を共有しているという、エマーソンの包括的な自然観を表している。彼は、どれほど小さく見えるものも、全体と不可分の関係にあり、そこに宇宙的意味と価値が宿ると考えた。葉や水滴のような微細な存在にも、全体の構造と美が反映されているという洞察は、詩的でありながら哲学的でもある。
この考え方は、エマーソンの超越主義的自然観と霊的統一感に深く根ざしている。彼にとって自然とは、神性の現れであり、人間と宇宙とが精神的に結ばれる場所であった。したがって、どんな一瞬や一物にも、無限と普遍が宿るという理解は、宗教的次元にすら達している。
現代においても、この名言は自然環境への尊重、ミクロとマクロの相互関係、そして時間の重みを考えるうえで重要な示唆を与える。科学的にはフラクタル構造や量子論のような概念とも共鳴しうるし、哲学的には人間の存在の意義を宇宙的文脈で捉える視点として有効である。すなわち、すべての瞬間と存在は、それだけで完全性のかけらであるという、深い叡智がこの言葉には宿っているのである。
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