「ムスリム世界では雄弁の技術が愛されている。オサマ・ビンラディンはただカセットテープで『アメリカは最低だ』と言うだけではない。詩を吟じ、『アメリカは最低だ』と韻を踏む言葉を見つけ出すのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“There’s a love of rhetorical skill in the Muslim world. Osama bin Laden doesn’t just go on tape cassettes and say, ‘America sucks.’ He recites poetry; he finds things that ‘America sucks’ rhymes with.”

日本語訳

「ムスリム世界では雄弁の技術が愛されている。オサマ・ビンラディンはただカセットテープで『アメリカは最低だ』と言うだけではない。詩を吟じ、『アメリカは最低だ』と韻を踏む言葉を見つけ出すのだ」

解説

この言葉は、ムスリム世界における修辞技法の文化的重視を揶揄しながらも認めている。特にビンラディンのような過激派の発信方法を取り上げ、単純な憎悪表現ではなく、詩的・修辞的技巧によって聴衆を惹きつけている点を皮肉混じりに描写している。

「America sucks(アメリカは最低だ)」と韻を踏む詩を吟じるという表現は、敵意を詩に昇華する風習や、美文によってメッセージの影響力を高める技法を皮肉っており、同時に西洋的な直截表現とイスラム世界の伝統的修辞の違いを浮き彫りにしている。

この名言は、政治的・宗教的対立の表現様式に文化的美意識が入り込むことを風刺し、言葉の力が人々の共感や憎悪をいかに煽るかを示唆している。オロークはここでも、敵に対する単純な蔑視ではなく、その文化的手腕に一種の冷笑的敬意を払う姿勢を取っている。

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