「ばかげた政治家たちが政治を好むのも無理はない。彼らはばかげていても成功できる職業を見つけたのだから。他のどんな職業でジミー・カーターやジョージ・W・ブッシュが頂点に立てただろうか、想像してみてほしい」

• 1947年11月14日～2022年2月15日（74歳没）
• アメリカ合衆国出身
• 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“No doubt the ridiculous politicians are right to like politics. They have found careers in which success can be achieved by being ridiculous. Imagine Jimmy Carter or George W. Bush rising to the top of any other profession.”

日本語訳

「ばかげた政治家たちが政治を好むのも無理はない。彼らはばかげていても成功できる職業を見つけたのだから。他のどんな職業でジミー・カーターやジョージ・W・ブッシュが頂点に立てただろうか、想像してみてほしい」

解説

この言葉は、政治という舞台がいかに異常で、常識を逸した人々でも成功してしまう世界であるかを辛辣に皮肉ったものである。P・J・オロークは、政治が他の職業とは違い、滑稽であることすら「資質」になりうる稀有な分野であると見なしている。

ジミー・カーターやジョージ・W・ブッシュといった具体名を挙げることで、読者の記憶や感情に訴えつつ、その政治的資質を疑問視するスタンスを鮮明にしている。これは単なる人物批判ではなく、制度としての政治が人材をどう選別するかに対する根本的な懐疑を表している。

現代の政治状況にも通じる普遍的な問題提起でもある。人気や話題性が理性や専門性に勝ってしまう選挙制度やメディア環境のなかで、滑稽さや軽薄さが成功の鍵となる。オロークはこの状況を、あえてユーモアを交えながらも深刻な警告として提示しているのである。

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