「我々は信仰によって彼と戦う」

• 1957年3月10日～2011年5月2日（54歳没）
• サウジアラビア出身
• イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者

英文

”We will fight him with faith.”

日本語訳

「我々は信仰によって彼と戦う」

解説

この言葉は宗教的信念を戦いの根拠とする姿勢を示している。ウサーマ・ビン・ラーディンはイスラーム過激派の指導者として、西洋諸国やその同盟国との対立を宗教的義務として位置付けた。彼にとって信仰は単なる精神的支えではなく、戦闘や抵抗の正当性を保証する絶対的な根拠であった。

時代背景としては、冷戦終結後の中東における政治的混乱と、アメリカの軍事的影響力拡大がある。特に湾岸戦争以降、ビン・ラーディンはアメリカ軍の中東駐留をイスラーム世界への侵害とみなし、これを信仰に基づく戦いとして位置づけた。この文脈で「信仰による戦い」は、武力と同等かそれ以上に重要な要素とされた。

現代においても、このような言葉は信仰が人々を結集させる強大な力であることを示している。しかしその方向性が暴力に結びつけば、深刻な対立やテロを生む。一方で、非暴力的な文脈で「信仰による戦い」を解釈すれば、人権運動や社会正義の追求において精神的支柱となり得る。したがって、この言葉は信仰が人間社会に与える二面性を象徴しているのである。

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