「我々は自らの信念や哲学、伝統を放棄してはいないし、他者にそれを放棄するよう求めることもない」

ミハイル・ゴルバチョフ
ミハイル・ゴルバチョフ(画像はイメージです)
  • 1931年3月2日~2022年8月30日(91歳没)
  • ソビエト連邦(ロシア)出身
  • 政治家、第8代ソビエト連邦共産党書記長・初代かつ最後のソ連大統領

英文

”We are not abandoning our convictions, our philosophy or traditions, nor do we urge anyone to abandon theirs.”

日本語訳

「我々は自らの信念や哲学、伝統を放棄してはいないし、他者にそれを放棄するよう求めることもない」

解説

この言葉は、ゴルバチョフが相互尊重と多様性の容認を強調した発言である。冷戦時代、イデオロギーの対立はしばしば相手の体制や価値観を否定する形で表れていた。しかしゴルバチョフは、自国の信念や伝統を守りながらも、他国に同じことを強制しない姿勢を示した。これは対立から対話への転換を象徴するものである。

歴史的背景として、この発言は1980年代後半のソ連の外交方針と関連している。彼は「新思考外交」を掲げ、イデオロギー的対立を超えて国際協調を重視した。特に東欧諸国に対しては不干渉を宣言し、それぞれの道を尊重した。これは従来の「ブレジネフ・ドクトリン」とは大きく異なる画期的な立場であった。

現代においても、この名言は重要な意義を持つ。グローバル社会において文化や政治体制は多様であり、自らの価値を守りつつ他者の価値を認める姿勢が不可欠である。ゴルバチョフの言葉は、相互尊重と平和共存の理念を体現し、多様な価値観が共存する国際秩序の礎となる教訓を与えている。

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