「私の詩や散文には、最高の――つまり私自身が最も良い状態にあるときの――南部の優れた黒人説教師たちのリズムやイメージがあります。スピリチュアルの叙情性、ゴスペルの率直さ、そしてブルースの神秘性が、私の音楽や詩や散文に宿っていなければ、私はすべてを見失ったことになります」

マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
  • 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家

英文

“I find in my poetry and prose the rhythms and imagery of the best – I mean, when I’m at my best – of the good Southern black preachers. The lyricism of the spirituals and the directness of gospel songs and the mystery of blues are in my music or in my poetry and prose, or I missed everything.”

日本語訳

「私の詩や散文には、最高の――つまり私自身が最も良い状態にあるときの――南部の優れた黒人説教師たちのリズムやイメージがあります。スピリチュアルの叙情性、ゴスペルの率直さ、そしてブルースの神秘性が、私の音楽や詩や散文に宿っていなければ、私はすべてを見失ったことになります」

解説

この言葉は、アンジェロウの文学や芸術の根底にあるアフリカ系アメリカ人の宗教的・音楽的伝統を明らかにしている。彼女は南部の黒人説教師が持つ力強いリズムと比喩表現から影響を受け、それを自身の文章に取り込んでいる。説教師の語り口は人々を鼓舞し、共同体に連帯をもたらすものであり、アンジェロウはその精神を詩や散文に反映させた。

背景として、スピリチュアルやゴスペル、ブルースは奴隷制や差別の歴史の中で培われ、黒人の苦悩と希望を同時に表現する文化となった。アンジェロウがこれらを自らの芸術に組み込むことで、彼女の作品は単なる個人の表現を超え、共同体の声や歴史の証言としての性格を帯びている。

現代においても、この言葉は文化的ルーツを創作に生かすことの意義を教えている。彼女は自分の作品にこれらの要素がなければ「すべてを見失った」とまで言い切る。これは、文学が単に美しい言葉ではなく、歴史・共同体・音楽的リズムと不可分であることを強調する姿勢である。

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