「我々の聖典コーランには、平和的に苦しみを受け入れよと教えるものは何もない。我々の宗教は、知性的であれと教えている」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”There is nothing in our book, the Koran, that teaches us to suffer peacefully. Our religion teaches us to be intelligent.”

日本語訳

「我々の聖典コーランには、平和的に苦しみを受け入れよと教えるものは何もない。我々の宗教は、知性的であれと教えている」

解説

この言葉は、マルコム・Xがイスラムの教えを受動的服従ではなく積極的行動の源泉として解釈した発言である。彼は黒人が不正や抑圧に直面したとき、ただ忍耐し受け入れるのではなく、理性と行動によって対抗することが宗教の本旨であると強調した。ここで「知性的であれ」とは、現実を見極め、自由を守るために賢く闘うことを意味する。

背景には、公民権運動において「忍耐」や「非暴力」が強調される一方で、黒人が依然として暴力や差別にさらされ続けた現実がある。マルコム・Xは、コーランの教えを拠り所に、信仰は人を従属させるものではなく、行動へと導くものだと説いた。この宗教的根拠は、黒人社会に強い精神的支柱を与えた。

現代においても、この言葉は普遍的な意味を持つ。宗教や思想が権力によって「忍耐」や「服従」を強いる形で利用されることがあるが、本来の教えは人間を解放し、尊厳を守るための力となるべきである。マルコム・Xの言葉は、信仰と知性を結びつけ、不正に抗う姿勢を示すものであり、今なお社会的正義を求める人々に響いている。

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