「メディアは地球上で最も強力な存在だ。彼らには無実の者を有罪にし、有罪の者を無実にする力がある。そしてそれこそが力なのだ。なぜなら彼らは大衆の心を支配しているからだ」

• 1925年5月19日～1965年2月21日（39歳没）
• アメリカ合衆国出身
• 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”The media’s the most powerful entity on earth. They have the power to make the innocent guilty and to make the guilty innocent, and that’s power. Because they control the minds of the masses.”

日本語訳

「メディアは地球上で最も強力な存在だ。彼らには無実の者を有罪にし、有罪の者を無実にする力がある。そしてそれこそが力なのだ。なぜなら彼らは大衆の心を支配しているからだ」

解説

この言葉は、マルコム・Xがメディアの権力性と世論操作の危険性を鋭く指摘したものである。彼は、メディアが単なる情報提供者ではなく、事実の解釈や人々の認識そのものを形作る力を持つことを理解していた。つまり、無実と有罪の境界すらメディアの報道次第で覆され得ると警告したのである。

この発言は、公民権運動期の報道姿勢を背景にしている。黒人の抗議活動がしばしば「暴動」として報じられ、白人の暴力が正当化される一方で、黒人の抵抗は危険視された。マルコム・Xは、この構造を暴き、メディアが既存の権力を補強する装置として機能していることを示したのである。

現代においても、この言葉は大きな意義を持つ。SNSやニュースメディアは世論形成に絶大な影響を持ち、誤情報や偏向報道は社会を分断する力を持つ。マルコム・Xの指摘は、情報の受け手が批判的思考を持たなければ、支配されるのは容易いという普遍的な警告として響き続けている。

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