「投票が効力を持たないなら、銃弾が効力を持つだろう」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”If ballots won’t work, bullets will.”

日本語訳

「投票が効力を持たないなら、銃弾が効力を持つだろう」

解説

この言葉は、マルコム・Xの代表的なスローガン「The Ballot or the Bullet(投票か銃弾か)」をさらに端的に表現したものである。彼はアメリカにおける黒人の権利闘争において、民主的手段が拒まれるならば強硬な手段も辞さないという立場を鮮烈に示した。これは単なる過激さではなく、黒人が直面する深刻な抑圧と差別の現実を背景にした現実主義的な警告であった。

背景には、1960年代のアメリカで黒人が投票権を制度的に妨害されていた状況がある。南部諸州では識字テストや人頭税などの手段が用いられ、黒人は合法的な手段で政治に参加することが困難であった。マルコム・Xは、もし投票という平和的かつ合法的な変革の道が塞がれるなら、人々はやがて暴力に訴えざるを得ないと訴えたのである。

現代においても、この言葉は鋭い警鐘として響く。民主主義の制度が形骸化し、市民の声が届かなくなった時、社会は不安定化し暴力的対立へと傾きやすい。例えば選挙の公正性が疑われる国や、少数派の権利が徹底的に無視される社会では、抗議が暴動へと発展することがある。マルコム・Xの言葉は、投票権の保障と民主的制度の維持が暴力を防ぐ最も有効な方法であることを強調している。

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