「性行為が睡眠や食事のように不可欠な独立した機能であると信じるのは、無知の極みだと私は思う。ゆえに、私はこれ以上子どもを望まなかったことから、自制に努め始めた。しかし、その努力には終わりなき困難が伴った」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
”I think it is the height of ignorance to believe that the sexual act is an independent function necessary like sleeping or eating. Seeing, therefore, that I did not desire more children, I began to strive after self-control. There was endless difficulty in the task.”
日本語訳
「性行為が睡眠や食事のように不可欠な独立した機能であると信じるのは、無知の極みだと私は思う。ゆえに、私はこれ以上子どもを望まなかったことから、自制に努め始めた。しかし、その努力には終わりなき困難が伴った」
解説
この名言は、性欲に対する自己制御の必要性と、その困難さに関するガンディーの個人的な経験と哲学を語っている。彼は、性行為を生物的な本能として無批判に肯定する態度を「無知の極み」とみなし、人間にはそれを理性によって制御する力が備わっているべきだと考えた。この考え方は、彼の理想とする「ブラフマチャリヤ(禁欲・純潔)」という修行的倫理観に通じている。
ガンディーは、子どもをもうけたのち、家庭生活の中でも禁欲を実践しようと試みた。しかしその道は容易ではなく、「終わりなき困難」と表現されるように、人間の本能と信念との間で深い葛藤があったことがうかがえる。ここには、理想を追い求める道のりが、常に自己との闘いであるという真摯な姿勢が表れている。
この名言は、現代においても自己管理や節制の意義を考える上で示唆に富んでいる。自由な選択が強調される時代にあっても、「欲望に流されず、自らの信念に従って生きること」は容易ではないが、尊い努力である。この言葉は、倫理的生き方の探求がいかに内面的な試練を伴うかを物語っている。
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