「神は知性によって理解されるものではない。知性はある程度まで人を導くが、それ以上は進めない。それは信仰と、そこから得られる体験の問題である」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
“God cannot be realized through the intellect. Intellect can lead one to a certain extent and no further. It is a matter of faith and experience derived from that faith.”
日本語訳
「神は知性によって理解されるものではない。知性はある程度まで人を導くが、それ以上は進めない。それは信仰と、そこから得られる体験の問題である」
解説
この名言は、ガンディーの知性と信仰の役割に対する哲学的立場を明瞭に示している。彼は、知性の力を否定していたわけではないが、究極的な精神的真理や神の存在といった次元には、理性だけでは到達できないと考えていた。つまり、論理や思考は出発点にはなりうるが、神の実在に触れるためには「信じること」と「体験すること」が不可欠であるという思想である。
この考え方は、ガンディーの実践主義的な宗教観とも一致している。彼は神を観念として語るよりも、日々の生活や行動の中で神を感じ、真理を体験することを重視していた。断食や祈り、沈黙といった行を通じて、知性では理解できない次元の「存在」や「確信」に触れることができると確信していたのである。
現代においても、理性万能の風潮のなかでこの名言は重要な問いを投げかけている。科学や論理が多くの問題を解明する一方で、生きる意味や精神的な充足といった領域は、信仰や内面的な体験によってしか得られない側面がある。ガンディーのこの言葉は、知性と信仰のバランスの中に真の人間的理解があることを静かに示している。
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