「悪しき指導者は人々に憎まれ、良き指導者は人々に敬われ、偉大な指導者は人々が『自分たちでやった』という」

- 紀元前571年?~紀元前470年?
- 中国出身
- 哲学者
英文
“The wicked leader is he who the people despise. The good leader is he who the people revere. The great leader is he who the people say, ‘We did it ourselves.'”
日本語訳
「悪しき指導者は人々に憎まれ、良き指導者は人々に敬われ、偉大な指導者は人々が『自分たちでやった』という」
解説
この言葉は、老子が説く理想のリーダーシップ像を明確に示している。強圧的な支配によって人々に恐れや反感を抱かせる者は「悪しき指導者」であり、道に背いた存在である。これに対して、尊敬される指導者は確かに優れているが、その上をいく「偉大な指導者」とは、人々自身が自らの力で成し遂げたと感じるよう導く者である。
老子の理想は、無為自然に基づいた支配であり、指導者は前に出るのではなく、背後から静かに支える存在であるべきとされた。「我々自身でやった」と人々に思わせることができる指導者は、自我を抑え、功績を誇らず、民の自立と主体性を育む力を持つ。これは「為さずして治まる」老子の政治思想を体現している。
現代社会においても、真に優れたリーダーとは、組織や共同体の成長を自発的に促し、個々の力を引き出す存在であるとされる。老子のこの言葉は、リーダーの真価はその「影響力の見えなさ」にこそあるという逆説的な洞察を、時代を超えて私たちに伝えている。
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