「歴史が人間を自身の目的を達成するための手段として使うのではない。歴史とは、人間が自らの目的を追求する活動に他ならない」
- 1818年5月5日～1883年3月14日
- プロイセン王国（ドイツ）出身
- 哲学者、経済学者、政治思想家
- 資本論を著し、社会主義・共産主義思想の基礎を築いた
英文
“It is not history which uses men as a means of achieving — as if it were an individual person — its own ends. History is nothing but the activity of men in pursuit of their ends.”
日本語訳
「歴史が人間を自身の目的を達成するための手段として使うのではない。歴史とは、人間が自らの目的を追求する活動に他ならない」
解説
この言葉は、カール・マルクスが歴史と人間の主体性について述べたものである。彼は、歴史がまるで意志を持つ存在のように人間を操るのではなく、人間が目的を持って行動した結果として歴史が作られると考えた。つまり、歴史は人々の意図や行動の集積であり、抽象的な「歴史」が人々を支配するのではなく、人間の活動が歴史そのものを形成しているという視点である。
この考え方は、歴史の主体を個人や集団の行動や意志に見出すものであり、マルクスの歴史観の特徴を示している。社会変革や歴史の大きな転換は、外部から強制されたものではなく、個々の人々や集団が現状に対して目的意識を持って行動した結果であるとする。この視点は、歴史が人間の集団的な活動の産物であり、意志を持って行動する人間の力を強調している。
具体例として、フランス革命や産業革命が挙げられる。これらの大きな歴史的変革も、偶然に起こったわけではなく、民衆や労働者、思想家たちがそれぞれの目的や理想を追求した結果である。この言葉は、歴史を受動的に捉えず、積極的に作り上げていくものとして理解することの重要性を示し、人間の行動と意志が歴史を形作る原動力であることを強調している。
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