「いや、あの人たちはデザイナーのために本当に何かを成し遂げたが、百貨店には今日それができるとも、すべきとも思えない。今や世界は違うのだから、やり方も変えねばならない。テレビもあるし、いろいろなものがある」

- 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
- ドイツ出身
- ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター
英文
“No. I mean those people really did something for designers I don’t think department stores can, could or should do still today. Today the world is different so you have to make it differently. There’s TV. There’s a lot of things.”
日本語訳
「いや、あの人たちはデザイナーのために本当に何かを成し遂げたが、百貨店には今日それができるとも、すべきとも思えない。今や世界は違うのだから、やり方も変えねばならない。テレビもあるし、いろいろなものがある」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が示しているのは、流通や仲介の形が変わることで、創造と社会の関係も変化するという認識である。かつては特定の場所や人が価値を認証していたが、メディアと情報が拡散した現代では、その役割は分散し、別の回路で影響が生まれる。ここでは、過去の成功モデルをそのまま保存することの無意味さが指摘されているのである。
この感覚は、マスメディアとグローバル市場が文化を再編した二十世紀後半の経験と結びついている。その文脈でカール・ラガーフェルドは、百貨店のような物理的な門番よりも、テレビやイメージが欲望を直接動かす力を持つ時代に適応していた。価値の生成と流通が視覚的なネットワークへと移行する中で、創造者は別の方法で世界に届く必要があったのである。
現代においてこの言葉は、啓蒙思想が前提とした公共圏の変容を示唆する。理性的な議論の場としての空間から、イメージと感情が交差するメディア空間へと重心が移った社会では、影響力の作り方も変わる。だからこそ、自由な表現を保つためには、古い制度に依存するのではなく、新しい媒介の中で自らの声をどう響かせるかを考えることが、自己形成と公共性の両方にとって決定的になるのである。
「カール・ラガーフェルド」の前後の引用
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