「いや、私はフランスのデザイナーでもない。私はどこにも属さない。私はヨーロッパ人であり、それも古いヨーロッパ人である。それが私のすべてだ」

カール・ラガーフェルド(画像はイメージです)
  • 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
  • ドイツ出身
  • ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター

英文

“No, I’m not a French designer either. I’m from nowhere. I’m a European, old European is all I am.”

日本語訳

「いや、私はフランスのデザイナーでもない。私はどこにも属さない。私はヨーロッパ人であり、それも古いヨーロッパ人である。それが私のすべてだ」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が意図しているのは、国民国家やラベルによって自己を定義されることへの拒否である。出身や国籍よりも、より広い文化的連続体としてのヨーロッパに自分を位置づけることで、狭いアイデンティティから自由であろうとする姿勢が示されている。ここでは所属を減らすことが、自己の普遍性を守る手段となっているのである。

この感覚は、戦争と統合を経験したヨーロッパの歴史的文脈と結びついている。カール・ラガーフェルドが生きた世代にとって、国境は固定的なものではなく、文化や記憶が交錯する流動的な領域であった。そのため、単一の国家に帰属するよりも、古い大陸としてのヨーロッパに身を置く感覚が、知的な自己理解として成立していたのである。

現代においてこの言葉は、自由と帰属の思想史的問題を浮かび上がらせる。啓蒙思想が普遍的理性を掲げたように、人は国や民族を越えて自らを定義できる存在である。どこにも属さないと語ることは孤立ではなく、複数の文化を引き受ける自由の宣言であり、自己を開かれた存在として保つための規律ある選択なのである。

「カール・ラガーフェルド」の前後の引用


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