「私が欲しかったのは紙と美しい色だけだった。それは私の夢であり、今もそうである。そして本である。それだけあればよく、ほかのものはなくてもよい」

- 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
- ドイツ出身
- ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター
英文
“I’ve only wanted paper and beautiful colors. It was my dream, and it still is my dream. And books. They’re all I need, and the rest I can do without.”
日本語訳
「私が欲しかったのは紙と美しい色だけだった。それは私の夢であり、今もそうである。そして本である。それだけあればよく、ほかのものはなくてもよい」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が意図しているのは、創造と知性にとって本質的なものだけを選び取るという価値観である。紙と色は表現の最小単位であり、本は思考と記憶を蓄える器であるが、それ以外の所有物は二次的なものとして退けられている。欲望を削ぎ落とすことで、内面の活動を最大化しようとする態度がここに表れているのである。
この感覚は、物質的な豊かさと精神的な充足が乖離し始めた時代の文化とも結びつく。カール・ラガーフェルドが活動した世界では、豪奢な商品があふれる一方で、創造の源泉は依然として紙とインク、そして読書にあった。そのため、最先端の華やかさの背後に、きわめて古典的な制作環境が守られていたのである。
現代においてこの言葉は、自由と自己形成の問題を鋭く照らす。デジタルと消費が加速する社会では、何を持たないかを決めることが主体の規律となる。啓蒙思想が理性による選択を尊んだように、必要最小限の道具と書物を選び取る行為は、外部の誘惑から距離を取りながら自分の世界を築くための倫理的な決断として意味を持つのである。
「カール・ラガーフェルド」の前後の引用
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