「私はプルーストの言語は好きだが、その文脈は好きではない」

カール・ラガーフェルド(画像はイメージです)
  • 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
  • ドイツ出身
  • ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター

英文

“I like the language in Proust but not the context.”

日本語訳

「私はプルーストの言語は好きだが、その文脈は好きではない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が意図しているのは、作品を全体として受け入れるのではなく、要素ごとに切り分けて評価する姿勢である。文章の響きや構文の美しさを愛しながら、その語られる世界や価値観には距離を取るという態度は、読書を同一化ではなく選別の行為として捉えていることを示している。ここでは感性が自律的に働き、好きなものだけを引き受ける自由が前面に出ているのである。

この感覚は、教養が批判的読解と結びついたヨーロッパの思想的伝統と関係している。カール・ラガーフェルドが生きた文化環境では、古典を無批判に崇拝するのではなく、そこから形式や技法を抽出して現代に使う態度が重視されていた。そのため、文体と世界観を分けて評価することが知的な洗練として成立していたのである。

現代においてこの言葉は、自由と啓蒙の関係を照らし出す。啓蒙思想が説いた理性とは、権威ある作品であっても吟味し、何を受け取り何を拒むかを自分で決める力である。言語だけを愛し、文脈を退けるという選択は、伝統を素材として扱い直す主体的な自由の表現なのである。

「カール・ラガーフェルド」の前後の引用


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