「私はバブルガムを食べないが、その匂いは好きである」

- 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
- ドイツ出身
- ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター
英文
“I don’t eat bubble gum, but I like the smell.”
日本語訳
「私はバブルガムを食べないが、その匂いは好きである」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が意図しているのは、欲望と享受を分離する繊細な感覚である。味わうことや消費することを選ばなくても、匂いという形でその対象を楽しむことはでき、そこに満足が成立する。ここでは身体的な摂取よりも感覚的な経験が優先され、節度の中に快楽を見いだす姿勢が示されているのである。
この感覚は、感覚の洗練が価値とされた文化的文脈と結びついている。カール・ラガーフェルドが生きた環境では、快楽は過剰ではなく、選び抜かれた形で楽しむことが洗練の証とされた。そのため、口に入れることを拒みながら香りを愛するという態度は、欲望を統御する美学の一例となっていたのである。
現代においてこの言葉は、自由と自己統治の関係をささやかに示している。啓蒙思想が説いた主体の自律は、何を欲し、何を拒むかを自分で決める力にある。香りだけを選び取るという行為は、快楽を完全に否定せず、しかしそれに支配もされないという、中庸の自由を体現しているのである。
「カール・ラガーフェルド」の前後の引用
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