「服がどんなに仕立てが悪くても、人を殺すことはない。だが建物が粗雑に建てられれば人を殺すことがある。それははるかに難しい仕事であり、私は自分をそれと比較しない」

カール・ラガーフェルド(画像はイメージです)
  • 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
  • ドイツ出身
  • ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター

英文

“Clothes if they are not well cut, you can kill nobody. A building poorly built can kill people. It’s a much more difficult work. I would not compare myself with that.”

日本語訳

「服がどんなに仕立てが悪くても、人を殺すことはない。だが建物が粗雑に建てられれば人を殺すことがある。それははるかに難しい仕事であり、私は自分をそれと比較しない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が示しているのは、創造の領域ごとに責任の重さと現実的な帰結が異なるという冷静な自己認識である。ファッションは人の気分やイメージを左右するが、物理的な生死を直接左右するわけではないという区別がここにある。自分の仕事を過剰に神聖化せず、その影響の範囲を見極める姿勢が表れているのである。

この感覚は、技術と芸術の役割が分化した近代社会の理解と結びついている。その文脈でカール・ラガーフェルドは、創造的な仕事の価値を認めつつも、それを社会の基盤を支える技術や建築と同一視することの危うさを意識していた。表現と安全、イメージと構造の違いをわきまえた態度が、この発言に現れているのである。

現代においてこの言葉は、自由と責任の境界を考えさせる。啓蒙思想が理性と公共性を重んじたように、社会には影響の大きさに応じた規範と責任が必要である。創作がどれほど自由であっても、それが現実に及ぼす力の範囲を自覚することこそが、成熟した主体としての条件なのである。

「カール・ラガーフェルド」の前後の引用


よろしければ評価をお願いします

気に入ったら「いいね」していってね!