「人の中で最も哀れなのは、自らの夢を金銀に変えてしまう者である」

ハリール・ジブラーン
ハリール・ジブラーン(画像はイメージです)
  • 1883年1月6日~1931年4月10日(48歳没)
  • レバノン出身
  • 詩人、作家、画家、『預言者』の著者

英文

“The most pitiful among men is he who turns his dreams into silver and gold.”

日本語訳

「人の中で最も哀れなのは、自らの夢を金銀に変えてしまう者である」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が意図しているのは、内面的な理想や志を、外的な富や報酬へと還元してしまうことへの深い批判である。夢とは本来、自己の存在意義や価値の方向性を示すものであり、それを貨幣的な成功に置き換えるとき、人は自らの精神的な源泉を失ってしまう。ここでは、物質的な達成が必ずしも人間の充実や尊厳を保証しないという価値観が示されている。

この言葉が生まれた背景には、急速な資本主義化と商業主義が人間の創造性や信仰を飲み込んでいく時代状況がある。その中でハリール・ジブラーンは、芸術や精神の領域が市場価値によって測られることに強い危機感を抱き、夢を魂の表現として守るべきだと訴えたのである。彼にとって夢を売る行為は、自己の内なる神殿を切り売りすることに等しかった。

現代においてこの言葉は、自己実現と経済的成功が混同されがちな状況への警鐘となる。啓蒙思想が重視した自律や、勤労倫理が説いた誠実な労働は、富の獲得そのものではなく、人格と目的の形成に根ざしていたはずである。自由と規律の緊張関係の中で、自らの夢をどこまで商品化するのかを問い続けることが、個人が精神的な貧困に陥らずに生きるための重要な課題となるのである。

「ハリール・ジブラーン」の前後の引用


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