「涙を流さない知恵、笑わない哲学、そして子どもの前に頭を下げない偉大さから、私を遠ざけてほしい」

- 1883年1月6日~1931年4月10日(48歳没)
- レバノン出身
- 詩人、作家、画家、『預言者』の著者
英文
“Keep me away from the wisdom which does not cry, the philosophy which does not laugh and the greatness which does not bow before children.”
日本語訳
「涙を流さない知恵、笑わない哲学、そして子どもの前に頭を下げない偉大さから、私を遠ざけてほしい」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が意図しているのは、真の知恵や思想や偉大さは、人間の感情や弱さ、そして無垢さと切り離されては存在し得ないという価値観である。涙を流さない知恵は苦しみを理解せず、笑わない哲学は生の喜びを失い、子どもに頭を下げない偉大さは謙虚さを欠いている。ここでは、深い精神性とは理屈の高さではなく、感受性と共感の豊かさによって測られると示されている。
この言葉が生まれた背景には、理性や権威が人間性から遊離していく近代の傾向がある。その中でハリール・ジブラーンは、知や思想が人の心から離れたときに空虚な形式へと堕してしまうことを見抜き、涙や笑い、子どもの純粋さの中にこそ人間の真実が宿ると考えたのである。彼にとって精神の高さとは、他者や生命の脆さに身をかがめる能力であった。
現代においてこの言葉は、専門化や合理化が進む社会への批評として響く。啓蒙思想が理性を重んじたとしても、それが人間の感情や尊厳と切り離されれば、自由は冷たい制度に変わってしまう。自己形成の過程においても、知識や成功だけでなく、共感し、笑い、弱い者に身をかがめる態度を保つことが、自由と規律を調和させた成熟した精神を支えるのである。
「ハリール・ジブラーン」の前後の引用
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