「未来は天国のようなものだ。誰もがそれを称賛するが、今すぐ行きたいとは思わない」

ジェイムズ・ボールドウィン(画像はイメージです)
ジェイムズ・ボールドウィン(画像はイメージです)
  • 1924年8月2日~1987年12月1日(63歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、評論家、公民権運動家

英文

”The future is like heaven, everyone exalts it, but no one wants to go there now.”

日本語訳

「未来は天国のようなものだ。誰もがそれを称賛するが、今すぐ行きたいとは思わない」

解説

この言葉は、未来への期待と現在への躊躇という人間の矛盾を突いている。未来は理想の場として語られ、希望や夢を託されるが、実際にその未来に向かうための犠牲や行動は誰も望まない。人は未来を崇拝しながらも、現実に生きる「今」を変えることを避けるのである。

ボールドウィンがこのように語った背景には、社会的変革への姿勢がある。人種差別や不平等の解決を「未来」に託す人々は多かったが、実際の変化をもたらすための行動を現在において取ろうとはしなかった。彼はその偽善を見抜き、未来を称えるだけでは何も変わらないことを指摘した。

現代においても、この言葉は強い意味を持つ。気候変動や社会問題の解決を「将来の課題」として先送りする態度は、未来を崇拝しながらも現実を回避する姿勢にほかならない。未来は今の行動の延長にしか存在しないという事実を直視させるこの警句は、今日の私たちにも鋭く響く。

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