「人は歴史に囚われ、歴史もまた人の中に囚われている。」

ジェイムズ・ボールドウィン(画像はイメージです)
ジェイムズ・ボールドウィン(画像はイメージです)
  • 1924年8月2日~1987年12月1日(63歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、評論家、公民権運動家

英文

”People are trapped in history and history is trapped in them.”

日本語訳

「人は歴史に囚われ、歴史もまた人の中に囚われている。」

解説

この言葉は、人間と歴史の相互依存関係を鋭く表現している。人は生まれながらにして歴史の影響を受け、社会制度や文化的背景、差別や戦争の記憶に規定されている。したがって、個人は歴史から完全に自由になることはできず、その枠組みの中で生きざるを得ない。

しかし同時に、歴史は人間の中に宿り、記憶や語り、行動を通じて再生され続ける。つまり、歴史は単なる過去の出来事ではなく、人間の意識や行為によって常に現在に持ち込まれる存在である。人が歴史を背負うだけでなく、歴史も人の中で生き続けているのだ。

現代社会においても、この視点は重要である。人種差別や戦争の傷跡は世代を超えて人々の心に残り続ける一方で、個々の選択や行動が新しい歴史を形づくっていく。ボールドウィンはこの言葉で、歴史を受け入れつつ、それをどう生き直すかが人間の責務であることを示唆している。

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