「信仰は決して告白をしない」

• 1817年7月12日～1862年5月6日
• アメリカ合衆国出身
• 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者

英文

“Faith never makes a confession.”

日本語訳

「信仰は決して告白をしない」

解説

この言葉は、真の信仰は言葉による表明や証明を必要としないという、ソローの内面的・個人的な信念に基づいた哲学を表している。ここでの「信仰（Faith）」とは、特定の宗教に限らず、自己の内に静かに根ざす確信や真理への直感的な信頼を意味している。ソローは、それが本物であればあるほど、公に説明したり、正当化したりする必要などないと考えた。

この思想は、ソローの反形式的、反制度的な姿勢と深く結びついている。彼は、教会や社会が定める外面的な信仰の形ではなく、自然や自己との直接的なつながりを通して培われる内なる信仰を重視した。つまり、本当の信仰とは、語るものではなく「在る」ものであり、その存在自体がすでに証明であるという厳粛な信念が込められている。

現代においても、信仰や理念がしばしば主張や対立の中で語られる一方で、この言葉は「もっとも深い確信は、沈黙と行動の中にこそ宿る」という真理を思い出させてくれる。ソローは、言葉や形式に頼らず、静かに、しかし確固たる姿勢で生きることの尊さをこの短い一文で鋭く表現しているのである。

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