「書物はこの世界の貴重な財産であり、世代と国家が受け継ぐにふさわしい遺産である」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“Books are the treasured wealth of the world and the fit inheritance of generations and nations.”
日本語訳
「書物はこの世界の貴重な財産であり、世代と国家が受け継ぐにふさわしい遺産である」
解説
この言葉は、書物が知識と文化の集積として人類全体にとっての最大の財産であるというソローの敬意を表している。「treasured wealth(貴重な財産)」とは、金銭的価値を超えた、精神的・歴史的価値の象徴であり、「fit inheritance(ふさわしい遺産)」は、書物が未来の世代に継承されるべき文明の核であることを意味している。
ソローは自然との対話を重視する一方で、人類の思想や経験が書物という形で蓄積され、時間と空間を超えて人と人とをつなげる役割を担っていることにも深い理解を示していた。書物は、単なる情報源ではなく、過去の叡智と現在を結びつけ、個人を精神的に豊かにする手段である。彼にとって読書とは、孤独の中にあっても他者の思想に触れ、自らの視野を広げる行為であり、それ自体が文化的行動であった。
現代においては、デジタル情報が氾濫する一方で、書物という「形ある知識の容れ物」が持つ重みが再評価されている。ソローのこの名言は、書物が単なる記録物ではなく、価値ある精神的財産として次世代に継承されるべきものであることを強く訴えている。彼は、文明の持続には知識の蓄積と伝承が不可欠であり、書物こそがその最良の媒体であると確信していたのである。
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