「いつの日か、科学が人類の存在を支配するようになり、人類は世界を爆破して自殺することができるようになるだろう」

ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
  • 1838年2月16日~1918年3月27日(80歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 歴史家、文筆家、政治評論家

英文

”Some day science may have the existence of mankind in power, and the human race can commit suicide by blowing up the world.”

日本語訳

「いつの日か、科学が人類の存在を支配するようになり、人類は世界を爆破して自殺することができるようになるだろう」

解説

この名言は、科学技術の進歩がもたらす破壊的な可能性についての深い懸念を表明している。ヘンリー・アダムズは、科学が本来持つべき「知の探求」という目的を超えて、人類の運命そのものを握る力になるかもしれないという未来を予見している。そして、その力が制御不能に陥ったとき、人類は自らの手で自らを滅ぼす「集団的自殺」を遂げることになるという警告を含んでいる。

アダムズがこの考えを持つに至った背景には、19世紀末から20世紀初頭にかけての技術の急速な進歩と、人間の倫理的成熟との間にある乖離がある。彼は「力(Power)」と「エネルギー(Energy)」という概念に強い関心を持ち、科学が宗教や哲学に代わる新たな支配者になるのではないかと考えていた。この名言は、そのような文明批評の一端であり、技術の力が人類のコントロールを超えてしまう未来を憂慮している。

現代において、核兵器、生物兵器、AI、環境破壊といった問題は、この名言が単なる杞憂ではなかったことを証明している。科学は人類に繁栄をもたらす一方で、誤った使い方をすれば絶滅すら招く両刃の剣である。この名言は、科学技術の力に見合うだけの倫理と責任が人類に必要であるという、時代を超えた重大なメッセージを内包している。

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