「自由な人間として、私は湾の向こうにある、奴隷として生まれた東岸を見渡すことができた」

- 1818年2月頃~1895年2月20日(77歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 奴隷解放運動家、作家、演説家、政治活動家
英文
“I could, as a free man, look across the bay toward the Eastern Shore where I was born a slave.”
日本語訳
「自由な人間として、私は湾の向こうにある、奴隷として生まれた東岸を見渡すことができた」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が意図しているのは、自由とは単なる場所の移動ではなく、自己の立場を外側から見渡せる視点を得ることだという考え方である。かつて縛られていた場所を遠くから眺めるという行為は、過去を否定するのではなく、それを意識的に引き受け直すことを意味しており、人が自分の運命を語り直す主体になる瞬間を象徴している。
この情景が生まれた十九世紀の歴史的文脈では、逃亡と解放は単なる身体的な出来事ではなく、存在の転換を伴う出来事であった。フレデリック・ダグラスは、奴隷としての出生地を自由な視点から見返すことで、制度が個人をどう規定してきたかを可視化し、その規定から自らを切り離す思想的な一線を引いていたのである。
現代においてもこの言葉は、過去の制約をどのように記憶し、現在の自己形成に結びつけるかという問題を投げかける。抑圧や不利な条件から出発した人が、それを遠景として捉え直すとき、経験は屈辱ではなく理解と行動の資源に変わる。啓蒙思想が重んじた理性と自由は、このように過去を見渡し、そこから距離を取りながら未来を構想する能力の中に具体化されるのである。
「フレデリック・ダグラス」の前後の引用
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