「裁判官は機知よりも学識があり、説得力よりも敬意があり、確信よりも慎重であるべきである。何よりも、誠実さこそが彼らにふさわしい資質であり、美徳である」
- 1561年1月22日~1626年4月9日
- イングランド出身
- 哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族
- 近代科学の基礎を築く「帰納法」を提唱し、またイギリス経験主義の祖として後世に影響を与えた
英文
“Judges ought to be more leaned than witty, more reverent than plausible, and more advised than confident. Above all things, integrity is their portion and proper virtue.”
日本語訳
「裁判官は機知よりも学識があり、説得力よりも敬意があり、確信よりも慎重であるべきである。何よりも、誠実さこそが彼らにふさわしい資質であり、美徳である」
解説
フランシス・ベーコンのこの言葉は、裁判官に必要な資質と姿勢についての深い洞察を示している。彼は、裁判官には単なる機知や自己の説得力を超えた学識、敬意、慎重さが不可欠であると強調している。裁判官には、瞬発的な判断や個人的な魅力ではなく、しっかりとした知識と熟慮が求められる。そして最も大切なのは、彼らの役割に誠実さと正直さが不可欠だという点である。
裁判官が機知や説得力に頼りすぎると、自己の利益や偏見が判断に影響を与える恐れがある。ベーコンは、裁判官が公正かつ謙虚な態度で判断に臨むべきであり、軽率な自信よりも慎重さが必要だと考えている。裁判は人の運命に関わるものであり、個々の言葉や判断が多くの人に影響を与えるため、慎重な姿勢と公正さが不可欠である。そして何よりも、誠実さが裁判官の美徳であり、どのような場合でも公平な判断を下すための最も重要な要素であるとベーコンは説いている。
現代の法の場面においても、ベーコンの言葉は裁判官の倫理における重要な指針である。裁判官が個人的な意見や魅力に流されず、誠実で公正な姿勢を持つことが、法の信頼性と正当性を保つ基盤となる。ベーコンの言葉は、裁判官の知識、敬意、慎重さが公正な裁きに不可欠であり、何よりも誠実さこそが真の正義を担保するものであると教えている。
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