「心の美徳と尊厳の中で、善良さは最も偉大なものである。それは神の特質であり、善良さがなければ人間はただ忙しく、悪意に満ち、惨めな存在となる」

フランシス・ベーコン
フランシス・ベーコンの名言
  • 1561年1月22日~1626年4月9日
  • イングランド出身
  • 哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族
  • 近代科学の基礎を築く「帰納法」を提唱し、またイギリス経験主義の祖として後世に影響を与えた

英文

“Of all virtues and dignities of the mind, goodness is the greatest, being the character of the Deity; and without it, man is a busy, mischievous, wretched thing.”

日本語訳

「心の美徳と尊厳の中で、善良さは最も偉大なものである。それは神の特質であり、善良さがなければ人間はただ忙しく、悪意に満ち、惨めな存在となる」

解説

フランシス・ベーコンのこの言葉は、善良さが人間の持つ美徳の中で最も重要なものであり、それがなければ人間は心の平穏を失い、さまざまな悪影響を招くと説いている。彼は、善良さを神の特質と捉え、人間がこれを実践することで人間らしい価値と尊厳を得られると考えた。この視点は、善が人間の性格や行動において単なる選択肢ではなく、最も根本的な徳であると強調している。

善良さがなければ、人間は自己の利害や欲望を追い求めるあまり、他者との対立や競争に支配されやすくなる。ベーコンの言う「忙しく、悪意に満ち、惨めな存在」という表現には、利己的な生き方の虚しさが含まれている。現代社会においても、過剰な競争や自己中心的な行動が問題視されており、こうした行動は人間関係を損ない、長期的な満足感を得られない原因となる。このため、他者への善意や思いやりは、個人だけでなく社会全体の幸福に貢献するものと考えられる。

善良さは人間の内なる強さと幸福の源であり、周囲と調和を生み出す原動力でもある。例えば、他者を助けたり、理解し合うことで得られる充実感は、人間の心に持続的な幸福をもたらす。善良さが尊ばれる社会では、人々が互いに信頼し合い、協力することで個人も社会も繁栄する。また、善良な行為は人間関係を育み、感謝や共感を生み出すことで、自分自身を高める機会にもつながる。

ベーコンの言葉は、善良さが人間の精神的な豊かさを築く基盤であり、持続可能な社会の構築に不可欠な要素であることを教えている。善良さを中心に据えることで、我々は個人としても社会全体としても、真に尊厳ある存在へと成長できるだろう。

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