「芸術への狂おしい情熱は、他のすべてを食い尽くす潰瘍である」

• 1821年4月9日～1867年8月31日（46歳没）
• フランス出身
• 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」

英文

“A frenzied passion for art is a canker that devours everything else.”

日本語訳

「芸術への狂おしい情熱は、他のすべてを食い尽くす潰瘍である」

解説

この言葉は、芸術に取り憑かれた生の過酷さを示している。芸術への激しい情熱は人間を高めもするが、同時に人生の均衡を破壊し、他の幸福や関心を蝕んでいく。ボードレールは芸術を崇高なものとしながらも、それが人間にとって病理的で破滅的な側面を持つことを認識していた。

19世紀の芸術家像には、創造の炎に身を焦がす「呪われた詩人（poète maudit）」のイメージがあった。ボードレール自身もその典型であり、芸術のために生を犠牲にする宿命を自らの言葉で描き出している。情熱は創造の源泉であると同時に、芸術家の精神と生活を蝕む危険な力でもあった。

現代においても、この洞察は普遍的である。芸術や創造にのめり込むあまり、健康や人間関係を犠牲にする例は後を絶たない。ボードレールの言葉は、芸術と破滅的情熱との紙一重の関係を鋭く照らし出し、創造の喜びと代償を問いかけているのである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか？

「シャルル・ボードレール」の前後の名言へ

おすすめの関連記事

ヒトラー

「国の破滅は、情熱の嵐によってのみ回避され得る。しかし、他者に情熱を呼び起こせるのは、自ら情熱を持つ者だけである」

シャネル

「もしあなたが情熱の対象であるなら窓から飛び出しなさい。情熱を感じたなら逃げなさい。情熱は消え、退屈だけが残ります」

ニクソン

「アメリカ人は、砂漠を掘り起こして庭園を生み出すような人々を称賛する。イスラエルの人々は、アメリカ人が共感する資質──根性、愛国心、理想主義、自由への情熱──を体現している。それを私は見てきた。知っている。そう信じている」

キケロ

「理性を使えぬ者だけが、激情に頼るのだ」

エマーソン

「しばしば観察される事実であるが、情熱の霊感によって優れた詩を書いた者が、他の状況ではうまく書けないことがある」

ランダムな名言へ

ジャンプ！