「我々の最優先事項はISILを追撃することである。したがって我々が表明しているのは、シリア政権に対して軍事行動を取るのではなく、イラクにおける戦略の一環として、シリアを安息地として利用しているISILの施設と要員を標的にしているということである」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“Our priority is to go after ISIL. And so what we have said is that we are not engaging in a military action against the Syrian regime. We are going after ISIL facilities and personnel who are using Syria as a safe haven, in service of our strategy in Iraq.”
日本語訳
「我々の最優先事項はISILを追撃することである。したがって我々が表明しているのは、シリア政権に対して軍事行動を取るのではなく、イラクにおける戦略の一環として、シリアを安息地として利用しているISILの施設と要員を標的にしているということである」
解説
この発言は、オバマ政権の対ISIL(イスラム国)戦略を明確に述べたものである。オバマは、米国の軍事行動の焦点がシリアのアサド政権ではなく、テロ組織ISILに絞られていることを強調した。無秩序な軍事介入を避け、特定の脅威に対して限定的に行動するという、慎重かつ目的限定型の軍事方針を表している。
この発言の背景には、2014年に急速に勢力を拡大したISILの脅威と、それに対応する国際社会の動きがある。当時、シリア内戦は複雑化しており、アサド政権への攻撃はさらに混乱を招くリスクがあった。そのためオバマは、敵対対象を明確に限定し、軍事目標を明瞭にすることで、介入の範囲と正当性を国際的に訴えたのである。
現代においても、軍事介入は国際法や地域情勢に配慮し、限定的かつ明確な目標を設定することが不可欠である。この名言は、無秩序な力の行使を戒め、慎重な判断と戦略的な行動こそが国際社会における信頼を築く鍵であることを示している。
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