「世界は一冊の書物であり、旅をしない者はその一ページしか読まない」

アウグスティヌス(画像はイメージです)
アウグスティヌス(画像はイメージです)
  • 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
  • ローマ帝国(現アルジェリア)出身
  • 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父

英文

”The world is a book, and those who do not travel read only a page.”

日本語訳

「世界は一冊の書物であり、旅をしない者はその一ページしか読まない」

解説

この言葉は、旅や移動が人間の知性と精神にとって不可欠な刺激であることを象徴的に表現している。世界を一冊の本にたとえ、旅をしない者は全体を理解せずにごく一部だけにとどまると警告している。アウグスティヌスの時代においても、巡礼や宣教、学問の探求には移動が伴い、旅は信仰や知識の深化と結びついていた

この言葉の背景には、キリスト教的な宇宙観と人間の探求心がある。アウグスティヌスは内面の探求者であったが、それと同時に外の世界に触れることの必要性も理解していた。彼にとって、旅は単なる地理的移動ではなく、神の創造の広がりを理解する手段であり、自己認識の深化の道でもある

現代においてこの言葉は、多様な文化や価値観に触れることの重要性を説く格言として繰り返し引用されている。物理的な旅のみならず、他者との対話、書物を読むこと、芸術を鑑賞することも「旅」として解釈することができる。すなわち、限られた視野にとどまらず、世界の多面性を読み解く努力が、人間にとって不可欠であるという教訓なのである。

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