「貧困や人生のその他の不幸において、真の友は確かな避難所である。若者には悪事を防ぎ、老人には慰めと支えとなり、人生の盛りにある者には高貴な行為を促す」
- 紀元前384年～紀元前322年
- 古代ギリシャのマケドニア出身
- 哲学者、科学者、学園「リュケイオン」設立者
英文
“In poverty and other misfortunes of life, true friends are a sure refuge. The young they keep out of mischief; to the old they are a comfort and aid in their weakness, and those in the prime of life they incite to noble deeds.”
日本語訳
「貧困や人生のその他の不幸において、真の友は確かな避難所である。若者には悪事を防ぎ、老人には慰めと支えとなり、人生の盛りにある者には高貴な行為を促す」
解説
この言葉は、アリストテレスが『ニコマコス倫理学』で述べた友情の倫理的・実践的な価値を如実に表している。彼にとって友情は単なる感情的な結びつきではなく、人生のあらゆる段階において人間の徳を支える不可欠な関係性であった。特に真の友とは、互いの善を願い、人格的な成長と幸福を共有する関係にある者を指す。
この名言が示すように、友情は人生のどの局面にも異なる形での恩恵をもたらす。若者にとっては逸脱や誘惑を防ぐ道徳的ガイドであり、老年には孤独や衰えを和らげる支えとなり、壮年期には志を高める刺激となる。つまり、友情は単なる慰めにとどまらず、徳を育み、行動の動機を高める力を持つ社会的・倫理的基盤である。
現代社会においても、個人主義が進む中で真に信頼できる人間関係の重要性はますます強調されている。この名言は、人生の質は外的な成功ではなく、いかなる困難にも支え合える関係性によって決まるというアリストテレスの根本思想を伝えており、徳と幸福の土台としての友情の意義を再認識させるものである。
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