「すべての人間は本性として知を求める」

- 紀元前384年~紀元前322年
- 古代ギリシャのマケドニア出身
- 哲学者、科学者、学園「リュケイオン」設立者
英文
“All men by nature desire knowledge.”
日本語訳
「すべての人間は本性として知を求める」
解説
この名言はアリストテレスの『形而上学』の冒頭を飾る有名な一節であり、人間の理性的本性と知への欲求を宣言する哲学的原点である。彼は、人間は動物とは異なり、単なる感覚的快楽や生存のためではなく、知ることそのものを喜びとする存在であると考えた。これは、知識の追求が実用的な目的を超えた価値を持つという思想に根ざしている。
アリストテレスは、見ることや聞くことへの自然な喜びに注目し、そこから人間が本能的に世界を理解しようとする性質を導き出した。そしてこの欲求こそが、科学・哲学・芸術といった人間の高次の営みの根源であると説いた。知は単なる道具ではなく、人間存在の完成と幸福(エウダイモニア)の鍵であると位置づけられている。
現代においても、教育・研究・創造の価値はこの知的欲求に根ざしており、人間がどのような環境にあっても「なぜ」「どうして」と問い続ける姿勢は変わらない。この名言は、知への愛(フィロソフィア)を人間の本性とし、理性に導かれた生の尊さを高らかに宣言するものであり、哲学だけでなくあらゆる知的探究の出発点となっている。
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