「互いに愛し合いなさい。しかし愛を絆にしてはならない。むしろそれを、あなたがたの魂の岸と岸のあいだを行き交う動く海としなさい」

ハリール・ジブラーン
ハリール・ジブラーン(画像はイメージです)
  • 1883年1月6日~1931年4月10日(48歳没)
  • レバノン出身
  • 詩人、作家、画家、『預言者』の著者

英文

“Love one another, but make not a bond of love: Let it rather be a moving sea between the shores of your souls.”

日本語訳

「互いに愛し合いなさい。しかし愛を絆にしてはならない。むしろそれを、あなたがたの魂の岸と岸のあいだを行き交う動く海としなさい」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が意図しているのは、愛を固定された結びつきや拘束としてではなく、二つの自立した存在のあいだを流れる自由な関係として捉える価値観である。絆としての愛は安心を与えるが、同時に相手を囲い込み、変化や成長を妨げる危険を含む。動く海としての愛は、距離と接近のリズムを保ちながら、双方の魂がそれぞれの輪郭を失わずに結びつく状態を示している。

この比喩が生まれた背景には、結婚や家族が所有や義務として理解されがちだった社会的文脈がある。その中でハリール・ジブラーンは、愛を支配から解放し、二人の自由な主体が向き合う場として再構成しようとしたのである。彼にとって真の結びつきとは、縛ることではなく、あいだに広がる豊かな空間を保つことにあった。

現代においてこの言葉は、親密さと自立の両立という課題に深く関わる。相手を自分の一部に取り込むのではなく、異なる存在として尊重し続けることは、啓蒙思想が説いた人格の尊厳と響き合う。自由と規律の均衡の中で、動く海としての愛を育てることが、成熟した自己形成と持続的な共同性を可能にするのである。

「ハリール・ジブラーン」の前後の引用


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