「私は一度もタバコを吸わず、酒も飲まず、薬物も使わなかった。おかしなことに、これほど退屈な人間はいないとも言える。私自身にはそれで構わないが、私の友人たちは少なくともタバコや酒はやる」

- 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
- ドイツ出身
- ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター
英文
“I never smoked. I never drank and I never took drugs. The funny thing is, nothing is more boring, people like this. For me, it’s OK. But most of my friends, at least they smoke and drink.”
日本語訳
「私は一度もタバコを吸わず、酒も飲まず、薬物も使わなかった。おかしなことに、これほど退屈な人間はいないとも言える。私自身にはそれで構わないが、私の友人たちは少なくともタバコや酒はやる」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が示しているのは、自己規律と社交的な魅力とのあいだにある緊張である。節制は理性的で安定した生を支えるが、同時に逸脱や無秩序が人間関係や物語を生むことも否定されていない。ここでは、自分の選択を正当化するのではなく、その孤立や退屈さをも含めて引き受ける姿勢が表れているのである。
この感覚は、快楽と規律がせめぎ合った二十世紀後半の文化と結びついている。その文脈でカール・ラガーフェルドは、創造と破滅が近接していた時代において、あえて極端な節制を選びながら、その代わりに他者の過剰さを観察する立場にいた。禁欲は徳であると同時に、共同体から距離を取る行為でもあったのである。
現代においてこの言葉は、自由と自己統治の問題を浮かび上がらせる。啓蒙思想が理性的な節度を理想としたとしても、人はしばしば逸脱に惹かれる存在である。だからこそ、快楽を拒むことも、選び取ることも、どちらも自分の生をどう構成するかという主体的な決断であり、その選択を引き受けることが自由の実質なのである。
「カール・ラガーフェルド」の前後の引用
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