「私はもう街を普通に歩くことができない。それは終わった」

- 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
- ドイツ出身
- ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター
英文
“I can no longer walk in the street. That’s over.”
日本語訳
「私はもう街を普通に歩くことができない。それは終わった」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が示しているのは、名声や可視性が個人の自由な身体性を奪うという感覚である。街を歩くという最も日常的な行為が不可能になるとき、人は公共空間から私的な存在へと押し戻される。ここでは、成功がもたらす特権と同時に、その代償としての孤立が静かに語られているのである。
この感覚は、メディアによって個人が記号化される二十世紀後半の文化と結びついている。その文脈でカール・ラガーフェルドは、個人が顔や名前として消費される状況の中で、匿名性という自由を失っていた。知られることが影響力を与える一方で、無名でいる権利を奪うという逆説が、この言葉に凝縮されているのである。
現代においてこの言葉は、自由と公共性の関係を問い直す。可視性が価値となる社会では、存在すること自体が常に他者の視線にさらされる。啓蒙思想が構想した公共圏は自由な市民の集まりであったが、現代のメディア空間ではその自由が容易に侵食されるため、自己をどこまで開き、どこまで守るかを意識的に選ぶことが、主体として生きる条件となるのである。
「カール・ラガーフェルド」の前後の引用
よろしければ評価をお願いします

気に入ったら「いいね」していってね!