「自分の名前の物語を誇張するな。自分の仕事の物語を誇張せよ」

- 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
- ドイツ出身
- ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター
英文
“Don’t overact the story of your name. Overact the story of your work.”
日本語訳
「自分の名前の物語を誇張するな。自分の仕事の物語を誇張せよ」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が意図しているのは、名声や肩書きといった外側の物語ではなく、実際に生み出したものによって自己を語れという価値観である。名前はしばしば神話化され、本人の努力や実体から切り離されて独り歩きするが、仕事は具体的な痕跡として残り続ける。自己演出の中心をどこに置くかという問いに対して、ここでは創造の成果こそが語られるべきだと示しているのである。
この感覚は、イメージとブランドが過剰に増殖した二十世紀後半の文化と結びついている。その文脈でカール・ラガーフェルドは、個人名が市場で神格化される一方で、作品の質と量によってのみ評価が更新され続ける厳しさをよく知っていた。名前の物語に安住することは停滞を意味し、仕事の物語を更新し続けることだけが創造者の正当性を保つのである。
現代においてこの言葉は、自己形成と公共性の関係を考え直す。SNSや自己ブランディングが氾濫する時代では、語りの上手さが実体を覆い隠しやすいが、啓蒙思想が重んじたのは理性的な成果によって評価される主体であった。自由な個人として生きるためには、名前に付随する虚構ではなく、実際に世界に加えた仕事の痕跡によって自分を証明し続けることが求められるのである。
「カール・ラガーフェルド」の前後の引用
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