「私は今日が好きで、せいぜい少し先の未来までは好きだが、過去には本当に興味がない。だから私にとって面白いのは、知らない物や人の過去だけである。知ってしまったものについては、どうだったかを知っているのだから、もう関心がない」

カール・ラガーフェルド(画像はイメージです)
  • 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
  • ドイツ出身
  • ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター

英文

“I like today and perhaps a little future still, but the past is really something I’m not interested in. So, as far as I’m concerned, I like only the past of things and people I don’t know. When I know, I don’t care because I knew how it was.”

日本語訳

「私は今日が好きで、せいぜい少し先の未来までは好きだが、過去には本当に興味がない。だから私にとって面白いのは、知らない物や人の過去だけである。知ってしまったものについては、どうだったかを知っているのだから、もう関心がない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が示しているのは、記憶や郷愁よりも現在の感覚と変化の可能性を優先する価値観である。過去を振り返ることは安心や物語を与えるが、それは同時に思考と想像力を固定してしまう。ここでは、すでに知っているものよりも、未知としての過去にだけ関心を向けることで、世界を常に新しく経験し続けようとする態度が表れているのである。

この姿勢は、伝統や回想が権威を持ちやすいヨーロッパ文化への距離感とも結びついている。その文脈でカール・ラガーフェルドは、歴史を参照しつつも、それに縛られない創作の自由を重視していた。過去は学ぶ対象ではあっても、そこに感情的に居座る場所ではなく、現在を更新するための素材として扱われるべきものと考えられていたのである。

現代においてこの言葉は、記憶と自己形成の関係を問い直す。データや記録が無限に保存される社会では、過去は容易に再生できるが、それにとらわれすぎると判断と想像の自由が失われる。啓蒙思想が説いた理性的主体としての自由とは、過去を知りつつも、それに支配されず、つねに現在の選択によって自己を更新していく力にほかならないのである。

「カール・ラガーフェルド」の前後の引用


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